1908年の6月18日、ブラジル・サンパウロ州サントス港に日本の船『笠戸丸』が入港しました。
この船には781人の日本人移住者が乗っていました。
本格的な移民が始まりました。
当時
日本国内は不景気で労働力が余っていました。
ブラジル国内は発展途上で労働力不足でした。
この両国の思惑が一致し、ブラジル移民が始まったと言われています。
日本人移住者の方々はどんな気持ちでこの船にのったのでしょうか。
今となっては知る由もありませんが、
この方々のご苦労は相当であったというのは想像に難くありません。
『笠戸丸』は数奇な運命を辿った船です。
笠戸丸は貨客船としてイギリスで作られましたが、ロシアに軍艦として売却されます。
その後日露戦争で使用されましたが被弾し、中国の港に置いてあったこの船を日本軍が日本に持ち帰ります。
日本で修理され『笠戸丸』と命名されます。
ハワイとブラジルに移民を運んだあと民間に売却されました。
その後笠戸丸は漁船として働きますが、
1945年(昭和20年) ソ連軍の空爆を受けて沈没しました。